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自賠責保険とは — 補償内容・保険料・期間と切れたときの重い罰則

公開: 2026-07-20 / 更新: 2026-07-20

保険のイメージイラスト

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、すべての自動車とバイクに加入が義務づけられている「強制保険」です。任意保険とセットで語られがちですが、補償の範囲も入り方もまったく別物です。この記事では自賠責保険の仕組み・限度額・保険料・車検との関係、そして切れたまま運転したときのリスクまでを整理します。

自賠責保険と任意保険の違い

車の保険は「強制加入の自賠責保険」と「上乗せの任意保険」の2階建てです。

自賠責保険(強制)任意保険
加入法律で義務(未加入では運行できない)任意(実質は必須)
補償の対象事故の相手のケガ・死亡のみ相手・自分・同乗者・車・モノまで選べる
物損(相手の車・物)対象外対象にできる
限度額法令で上限あり無制限にできる
保険料どこで入っても同じ会社・条件で異なる

自賠責は「被害者救済の最低限」を担保するための保険で、相手の車やガードレールなどの物損は一切カバーしません。また対人賠償にも限度額があり、実際の賠償額が上限を超えることは珍しくありません。その不足分を埋めるのが任意保険です。

補償の対象と限度額

自賠責保険が支払うのは、事故の被害者(相手)の人身損害だけです。加害者自身のケガや車の修理、自分の車の損害には使えません。法令で定められた支払限度額は次のとおりです(被害者1名あたり)。

損害の種類支払限度額
ケガ(傷害)120万円
後遺障害程度に応じて75万〜4,000万円
死亡3,000万円

これらは「1回の事故につき」ではなく「被害者1人につき」の上限です。重い後遺障害や死亡事故では賠償額が数千万〜数億円になることもあり、自賠責だけでは足りません。だからこそ対人賠償を無制限にできる任意保険が実質的に必須とされています。補償の優先順位は自動車保険の選び方で解説しています。

保険料の決まり方 — どこで入っても同じ

自賠責保険は利益を目的としない公共性の高い保険で、保険料は車種と契約期間(と地域区分)だけで決まり、どの保険会社で入っても同じ金額です。任意保険のように等級や年齢、ゴールド免許で変わることはありません。

  • 車種 — 自家用乗用車・軽自動車・バイクなどの区分で料率が異なります
  • 契約期間 — 長い期間でまとめて入るほど、1か月あたりは割安になります
  • 地域 — 本土と離島・沖縄で料率が分かれています

※自賠責保険料は数年ごとに改定されます。最新の金額は損害保険会社や国土交通省の公表資料で確認してください。

いつ・どこで加入するか — 車検とセット

自賠責保険は、新車購入時と車検のときに加入・更新するのが一般的です。車検を通すには、次の車検までの有効期間をすべてカバーする自賠責保険が必要です。そのため車検時には車検有効期間より1か月ほど長い期間(例: 2年車検なら24か月ではなく25か月)で加入することがよくあります。これは満了ギリギリでの空白を作らないための余裕分です。

自賠責の保険料は車検費用の「法定費用」の一部として支払います。車検費用全体の内訳は車検の費用相場で解説しています。

切れたまま運転すると — 罰則は重い

自賠責保険が切れた状態で公道を走る「無保険運行」は、自動車損害賠償保障法で厳しく罰せられます。

  • 無保険運行 — 1年以下の懲役または50万円以下の罰金。違反点数6点で、一発で免許停止に該当します
  • 自賠責保険証明書の不携帯 — 30万円以下の罰金。証明書は車に必ず積んでおく必要があります

さらに、自賠責が切れていると車検も通りません。車検切れと自賠責切れは同時に起きやすく、両方切れた車で走ると処分が重くなります。うっかり切らしていた場合の対処は車検切れの車はどうすればいい?もあわせて確認してください。

事故に遭ったら — 被害者側の請求方法

自賠責保険は加害者が入っている保険ですが、被害者側から直接請求することもできます。

  • 加害者請求 — 加害者が被害者に賠償金を支払った後、加害者が自分の自賠責保険に請求する方法
  • 被害者請求 — 被害者が加害者側の自賠責保険会社に直接請求する方法。示談がまとまらないときや、加害者が対応しないときに使えます
  • 仮渡金(かりわたしきん) — 当面の治療費や生活費のために、示談前でも一定額を先に受け取れる制度があります

また、ひき逃げや無保険車による事故で自賠責から支払いを受けられない場合は、国の政府保障事業が自賠責と同等の範囲で立て替える仕組みがあります。自賠責への請求には時効(原則3年)があるため、早めの手続きが大切です。

廃車・売却したときは還付がある

車を廃車(永久抹消・一時抹消)にして自賠責保険を解約すると、残りの保険期間に応じて保険料の一部が戻ってくることがあります(還付)。ただし車検残がまだ十分にある場合が中心で、残り期間が1か月未満だと戻らないなど条件があります。売却でそのまま次の所有者に車検・自賠責を引き継ぐ場合は、自賠責も車とともに移るのが一般的です。

まとめ

自賠責保険は「被害者のケガ・死亡を最低限カバーする強制保険」で、物損や自分の損害は対象外・限度額もあります。だからこそ任意保険で対人・対物を無制限にして穴を埋めるのが基本です。保険料はどこで入っても同じで車検とセットで払うもの、そして切れたまま走ると罰則が非常に重い——この3点を押さえておけば十分です。車にかかる保険・税金・車検の年間の流れは年間スケジュールまとめで確認できます。

※自賠責保険の保険料・限度額・罰則・還付の条件は改定されることがあります。契約や請求の際は、損害保険会社・国土交通省・警察などの公式情報を必ず確認してください。

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